モラハラ(モラルハラスメント)から逃れるには あなたがモラハラから逃げるための方法を解説

離婚原因

モラハラ(モラルハラスメント)から逃れるには あなたがモラハラから逃げるための方法を解説

 モラハラは深刻な問題であり、被害者が安全な状態に戻るためには様々な手段を検討する必要があります。緊急時にはDV対策と同じように早急に相手と離れることも検討するべきです。
ここでは、一時的な対策ではなく根本的な解決、すなわち離婚について解説します。

どうすれば離婚できる?

 モラハラの影響から逃れる根本的な手段は離婚です。
 離婚に至るまでの手続についての全体のフロー図としては以下のようになります。
 ここで、モラハラの相手と離婚をするにあたって、協議離婚ができるかどうかでみていきたいと思います。

離婚できる場合とできない場合

 離婚、すなわち婚姻による関係を法的に解消するためには、法律に定められた原因が存在することが必要です。不貞行為や生死不明などが典型例です。

 世間の夫婦が離婚する理由として上位とされている性格の不一致があります。法律上、この性格の不一致は離婚原因として記載していないことから、性格の不一致やモラハラだけでは離婚が認められないのではないかとも考えられます。
 しかし、先ほどの不貞行為や生死不明などのような分かりやすいケースのほかに、法律上、離婚原因として「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」というものを定めています。
 そこで、モラハラを理由として離婚しようとする場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当たることを立証をして離婚を目指すことになります。
 そのため、モラハラという事実だけでも、離婚できる可能性があるので、その点を重視して離婚へ動くのも一つの手であるといえます。

参考)法律上で認められる離婚原因

あなたが離婚をするに重要なこと

 モラハラについて「婚姻を継続し難い重大な事由」であることを証明するために重要なことがあります。それはモラハラの証拠を集めることです。

証拠としては以下のものが重要となります。

  • メール
  • LINEデータ
  • 録音・録画
  • 日記
  • メモ

 証拠はメール、メール、録音データなどの客観的な証拠があれば理想的です。

 また、そのような客観的な証拠がない場合でも、日記に書いておくとかメモしておくという方法でも証拠としての価値はあります。ご自身の記憶として、いつ何があったかという事実を具体的に言えるようにしておくことも重要となります。

弁護士への相談

 離婚を考えるにあたっては、信頼性のある法律事務所や弁護士に相談することが重要です。法的なアドバイスの内容は個々の状況によって違ってきますので、ご自身の状況をお話して解決方法を教えてもらいましょう。
 具体的にモラハラについての主張を弁護士により精査します。そして、的確な主張をすることで、離婚の実効性を高めることができます。

協議離婚の提案

 ご自身で具体的なモラハラの主張を相手にしても問題ありません。
 もっとも、モラハラの相手方に対してご自身で交渉をするのは精神的に辛いものがございます。また、適切な主張を取捨選択をするのは専門家でなければ難しいと思われます。
 そのため、弁護士に依頼をした上で、弁護士による交渉をするのがベターであるといえます。

 交渉の際には、相手方がどのような点でモラハラであったのかについてを提示し、具体的な離婚条件について検討することとなります。

 多くの場合、最初は離婚に応じないという反応となります。もっとも、交渉を続けることで離婚ができる確率が上がっていきます。

裁判上の手続き

 交渉で離婚条件等が上手くいかない場合、弁護士に依頼するなどして離婚の調停を家庭裁判所に申し立てて離婚を目指します。

 調停はおおよそ1か月~2か月に1回くらいのペースで開かれ、調停委員が間に入って離婚条件などについて話し合いを行います。

 調停の結果相手も離婚に同意すれば離婚が成立します。
 経験上、調停を続ける中で離婚についてを認めることとなり、離婚が認められることとなることが多いです。なお、9割方、調停までで離婚が成立します。

 調停によって解決できない場合には、離婚訴訟を家庭裁判所に提起して裁判所の判断を求めることになります。

保護命令

 離婚が成立するまでの間、同居している必要はありません。むしろ別居期間が長い方が離婚が認められやすくなりますので、可能であれば早めに別居することを検討するべきでしょう。

 また、モラハラが続いている場合には保護命令の取得が有効な場合があります。これは裁判所の命令の下、被害者を保護して離婚手続きを進めるための措置の一環です。

慰謝料はもらえる?

 モラハラについては加害行為の実態が客観的には明確ではないため、慰謝料の請求が認められるほどの権利侵害かどうかの線引きも容易ではありません。

 しかし、以下のようないくつかの裁判例においてモラハラを理由とする慰謝料請求が認められています。

慰謝料の額:250万円

夫が体調不良の妻が病院に行くのを許さなかったなどの事実が認定された事例。

平成17年3月8日東京地裁判決

慰謝料の額:200万円

夫が婚姻期間約36年にわたり「メシが冷めてる」「誰の金で養ってもらってると思ってんだ」などの言動を続けた事例。

東京地裁平成17年11月11日判決

人生の再出発に向けて

 モラハラからの脱出は法的な手続きを伴うことがありますが、信頼性のある法的サポートを得ることで、被害者は新しい人生への第一歩を踏み出すことができます。法的アドバイスの重要性を理解し、適切な手続きを進めることで、安全な状態に戻り、将来に向けての希望を見出すことができるでしょう。
 もし、モラルハラスメントについてお困りの方がいましたら、遠慮なく弁護士へご相談をなさるのが良いかと存じます。
 弁護士に相談をすることで不必要に怯えたり、辛い現状から解放することができます。
 是非弁護士に一度ご相談することをおススメいたします。

 石井・竹口法律事務所はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました